より最適で効率的なものづくりを目指して
Profile
高等専門学校機械工学科出身。製造部の中では生産技術課で設備・工程のバリデーションや現場改善、効率化に関する業務に携わる。趣味は料理、お笑いライブを見ること。
この業界とナカシマヘルスフォースを選んだ理由は何ですか?
高等専門学校に入学した頃から医療機器への興味があり、5年時に入った研究室が人工関節の摩耗に関する研究をしていたため、医療機器の中でも特に人工関節への興味が強くなりました。その後、研究室の先生から「岡山にいい会社があるよ」と紹介してもらったのが当社です。
工学系で製造となると溶接や金属加工など現場での作業が多いイメージでしたが、実際に入社してみて感じたのは、当社はものづくりの中でも特に人の人生やQOLを支える仕事であり、製造の世界にいても患者さんのためになる仕事はたくさんあるということです。医療機器の研究開発から製造販売までを一貫して行っており、開発部門や品質保証部門が同じ拠点にあることも私にとっては魅力的でした。
どんな仕事をしていますか?
製造部といっても現場で製造作業を行うわけではなく、多くは事務所や実験室の中で設備や工程のバリデーション(意図した品質の通りに製品が作られているか様々な観点から確かめる業務)、現場の改善、作業の効率化に関わるいわば現場と設計・開発の間をつなぐ仕事を行っています。
入社後、配属された後は電子ビーム積層造形装置(以下、造形機)、いわゆる3Dプリンターの現場作業を覚えることから始め、その後、造形機のバリデーションや他の工程の治具設計や工数削減検討といったように少しずつ仕事の幅を広げてきました。現場から「作業工程をスムーズにするため改善を」という依頼を受け、そのための治具を作ったりするのも私たちの仕事です。
バリデーションについては、主に造形機の定期メンテナンス終了後や、新しい造形機の導入時や新製品を造形機で作る際などに行うものを担当しています。
大変だった仕事は?
現場から依頼があった治具の設計・製造やバリデーション作業など、複数の案件が一度に重なった時は、何から手をつければ良いのかわからなくなり、混乱してしまいました。そこでタスクを細分化し、すべきことを小さな付箋に書き出してタスク管理をし、優先順位をつけることで進めやすくなりました。終わり次第それを剥がせば目に見えてタスクが減っていくため、達成感も得られました。
また、つい物事を後回しにしてしまう癖があるため、「今日やること」を決め、少しでも手を付けやすくするように工夫するなど、自分なりの方法を見つけて苦手意識を解消しています。
自分の成長を感じたエピソードはありますか?
既存の装置に対して1年や数か月に1回、必ず行わなければならない「再バリデーション」業務があります。造形機の再バリデーションでは、サービス業者による定期メンテナンスの後、パラメータ(電子ビームの焦点や造形品の収縮率など)の調整をし、調整後のパラメータで造形したものが品質的に問題ないことを検証し、報告書にして提出するという作業を行うのですが、1年目は確認漏れのため造形がうまくいかなかったり、予定期間を過ぎてしまったりと、納得いく結果となりませんでした。それが1年目より2年目、2年目より3年目と回を重ねるごとにスムーズに行えるようになってきました。保守期限切れのため自分たちでメンテナンスする装置もあるのですが、何事もなく終えることができたときは成長を感じました。
また、入社当初は年齢の離れた先輩方と話す際、きちんと話せるか自信がなく苦手に感じていましたが、回数を重ねるごとに上達しているようです。報告書特有の文章の書き方や図面の描き方も会社に入って鍛えられ、うまくなりました。
会社について感じていることは?
与えられた多くのタスクをこなすといった仕事面では大変なこともありますが、いわゆる上下関係はそれほど厳しくなく、物腰の柔らかい方が多い印象です。
職場の雰囲気はいい意味で自由です。プライベートでは山登りや釣り、アウトドアなど趣味を大切にしている人が多いのも魅力だと思います。
また、社内には改善提案委員会があり、業務改善や工数・製造コスト削減に対する改善提案を受けており、年度末にはその表彰を行っています。また、全社表彰では業績向上に寄与した取り組みに対して、全社の前で表彰がなされます。私自身は、ある製品について一から手作業で行っていた研磨作業を自動化と手作業の組み合わせにするプロジェクトに参加し、実際に実用化されて全社表彰を受けたことがあります。この制度は、現場のスタッフから改善の意見があがりやすい、工数やコストの考え方を学ぶだけでなく、他部署の仕事内容を知るきっかけにもなるといった面でいい取り組みだと思っています。
今後、どんなことを目指したいですか?
まずは造形機の扱い方について、プロフェッショナルな上司に追いつくことができるよう一通りの業務を一人でこなせるようになりたいです。
出来る業務や知識が増えることで、現場改善への検証活動に対する視野が広がると考えています。生産効率を上げたり、現場がもっと作業しやすくなったりする方法はきっとあると思います。主に自動化がテーマになると思いますが、現場の声を吸い上げ、自分の目で検証し、より良い作業内容に改善できるよう努力したいと思います。
また、生産技術課と品質管理課との連携を今以上に行い、製造不適合(製造工程内で発生した不良品)の削減といった品質管理に関連する業務にも関わってみたいです。
後輩にどんなことを伝えたいですか?
就職活動中はいろいろな企業を見て回ることができ、見聞も広げることができるチャンスだと思いますので、ぜひ皆さんには頑張ってほしいと思います。
高等専門学校卒業生として入社し、学校で学んだことは頭の隅にあるだけでも役立つというのを実感します。特に工学系、工業系ならば図面や加工、金属材料の知識はしっかり押さえておくと良いでしょう。
理系、工学系、高専、中でも工学系の女性が増えるとうれしいです。